あぁァァ～ァ！

イヤ～驚いた？夜の１０時を過ぎた人もまばらのバスターミナルいつもの乗り場に並んで単行本を開く、２,３ページ読んだ頃に突然「あぁァァ～」弱々しい奇声とともに前のオヤジがゴンと鈍い音をたてていきなり倒れた（事件ダっ）５０歳くらいのやせ形サラリーマン、かけていた眼鏡も今の衝撃で頭の上の方まで飛んでいる、突然の事で本人も驚き眼だけがキョロキョロ天井を見つめている、

大丈夫か？どうした？と叫んだ瞬間後ろから颯爽と若い姉ちゃん登場（可愛い！）顔もとにひざまつく（おいおいパンツ見えそう！）大丈夫ですか？水を弾くようなトーンで若々しく優しい声だ、ワタシとは違う、ヤッパ若いってすばらしい！しかしとっさに駆けつけたは良いがどう行動して良いのか、固まってしまった。どうしよう救急車呼びますか？顔をあげてワタシに訴えてる（待ってました、アタック・チャン～ス）
頭を打っているから動かさない方が良いッ！アゴをあげヒタイを下げてて気道確保！くーッ無駄のない素早い行動ワレながら上手くいっている！（ポイントアップ）もっともっと高得点を目指すぞ！アタック・チャンス続いている、もう倒れたオヤジはどうでも良い、大事なのは姉ちゃんだーッ！ （スイマセン！）

しかしなんなんだ？バスが到着、並んでた人は何事もなかったようにバスに乗り込み、姉ちゃんも「あとはお願いいたします」って乗り込んだ！ ちょっと待ったッこのバスを逃すと次は１時間後！

はぁ？ワタシはどうなるの？ワタシはバス乗れないの？アタック・チャンスもボイントアップも消えた！ゲームオーバー！残ったのはキョロキョロしているオヤジとワタシだけ！もう良いッ！訳のわからない怒り！もう立てるしょ！大丈夫でしょ！
あっハイ・・・なんか弱弱しい返事！（しっかりすれよ！）

参った・・・バスセンターで中年男性死亡なんて新聞も見たくない、引きずりたくもない、まして自分が携わったオヤジならなおさらだ・・・しかし朝から晩まで動き回って忙しい思いもしている、早く家に帰って横になりたい気持ちもある・・・体の中でバトルしている、
タクシー乗って家まで送ることにした・・・なんかどっぷり甘えてくるオヤジ！こんなんだったら最初からタクシーで帰ればもうシャワーあびて、おやすみなさいしてただろうなぁ～なんて考えると複雑だ！ピンポン押すと突然の夜中の悪人面のワタシにビックリした様子（当たり前だ）奥さんに預けて待たせているタクシーに乗り込んで我が家に向かうもなんか腑に落ちない！ありがとうもスイマセンもタクシー代もなし！余計なお世話をしたみたい、なんか虚しい気持でイッパイだ！誰にかわからないが？ワタシ試されてんだろうなぁ～・・・明日も早い、くだらないッ考えはやめて寝ようッ！人生いろいろ、複雑だ―ッ！